前回の続き。
マッサージに行くことを決めたX。ホテルの前には2軒のマッサージがある。どちらの店に行こうか軽く調査。
2軒を比較すると、値段が違う訳でもない。資本主義国家から来たXからしてみるともう少し差別化を図るべきだ、と他人事ながら思うのだが不思議と競争原理は働いてない。需要と供給のバランスが取れているのだろう。
しかし、片方の店は入り口に可愛いお姉さんが立っている。これはある意味リーズナブルな差別化だ。万人が腑に落ちる営業戦略。Xみたいなロクでもない客ばかりをターゲットに設定するのであるならば、充分に人件費分のリターンは見込まれるだろう。そしてお姉さんを発見したXは当然のようにそちらの方に吸い込まれる。まさにカモ。
呼び込みの可愛いお姉さんに連れられ一階の旅行会社(だったと思う)の受付のおばさんの意味深な笑みを横目に奥にあるエレベーターにお姉さんと一緒に乗ろうとする。が、ここで可愛いお姉さんはドロップアウトして外に戻ってしまった。
えええええ!君はマッサージしないのか!という心の叫びとは裏腹にエレベーターの扉は閉まり無情にも上の階へ動き出す。
チーン、というなんとも言えない到着音と共にエレベーターはお店の階で止まりドアが開く。そしてその先には
やっぱりだ。太ったおばさん(でも多分年下)がハローと言ってあっちだ、とベットを指指す。
まあいいよ。別に。呼び込みのお姉さんに「あなたがマッサージするなら行く」と条件指定した訳でもない。勝手にXが思い込んだだけだ。やっぱりあのおばさんが担当だよね、でもこの落差はないよなぁ、、、と店の営業戦略に簡単に引っかかった自分に深く後悔しながら服を着替える。料金は先払い。
着替えた後、オッケーだよーと声をかけると然もありなん、担当はさっきの太ったおばさんだ。うーん、おばさんだしマッサージ上手かも、と思い、気を取り直してマッサージを受け始める。
すると30分ぐらいするとおばさんの手が当たる場所がおかしい。おばさんはフツーのマッサージからスペシャルマッサージを匂わす。
まさかの展開。望むと望まざるに拘わらず現実は厳しいものだ。
ここで考えたのは連日の夜の労働に対し、今日の夜は一旦休暇を入れるべきか否か。とりあえずいくらだ?と聞く。するとおもむろに指を5本(パーの形)出してきた。つまり50万ドン(2500円)。チョキを出してやろうかと思ったが、ベトナムのHJ(ハンドジョブ)相場を知らないXは瞬時に脳内で東南アジア相場計算をする。バンコクであるならば手コキは500バーツから1000バーツの間だろう。つまり1500円から3000円。現在の提示額は2500円。
ベトナムの物価を考えれば30万ドン(1500円)が適正か。でも太ったおばさん(多分年下)という特約条項を鑑みるともっと安くなるのではないか。相手がおばさんであるが故の特約により、おばさんが繰り出したパーに対し愚直にチョキを出して20万ドン(1000円)で切り返すか、それとも30万ドン(1500円)で切り返すか葛藤した。一連の葛藤は修行そのものである。そして考え抜いた末、結局交渉が長引くと面倒なので30万でいいやと思い、伝えるとトックロン。サクッとヌイてもらって終了。
この日はおばさんにヌイてもらったことにより飯食ってビール飲んで睡眠以外の全ての欲を満たした後、ホテルの部屋でTinderに集中。その中で前にブログ記事にアップしたSky Chill Barを紹介してくれた女の子(27)と翌日に会う約束をゲット。
これで明日の昼間に床屋に行き、夜はこの子(27)とデートできればおおよそ旅の目的は完了するだろう(この子にバックレられたら未完になるが)。そんなこんなでとりあえずこの日はゆっくり寝た。
続く。
この後の床屋の話はこちら。